髑髏の高天に幡遊び ごろごろ義眼が降り注ぎ、 覗けば蜻蜓の髄か 蟋蟀の臓腑か。 解体され 腐り爛れる祝詞。 錨の袈裟の小坊主が 錦蛇の熱が残る音節を 噛み/ちぎり、 舌の腹で転がす。 その血糊を啜りて オノマトペの鱗を纏い、 骨は臼歯ですり潰し、 蝶形骨の水たまり 口を濯げば、沈むは 音や 音や。 ただ、響きのみ。 欠喉父音【K・H・T・N】 夜光母音【A・U・O】 詩人とは詞の孤児 せめて穢れた加護を—。 Ku-ro-ki Ho-ne To-ka-su No-do, A-ka-ku U-ka-bu O-to wo, 吐—— 虚空に放たれし黒曜石 その蜜に蟲は集い、星を孕み 星は幾千の幡となる。 髑髏の高天に幡遊び——。